数の子は何歳から食べられる？赤ちゃん・幼児・妊婦さんの安心ガイド

お正月に欠かせないおせち料理の定番、数の子。

黄金色の美しい見た目は祝いの象徴ですが、赤ちゃんや小さな子ども、妊婦さんが食べても安全なのか気になりますよね。

この記事では、「数の子は何歳から食べられるのか」を中心に、塩分・硬さ・アレルギー・リステリア菌などのリスクを詳しく解説します。

さらに、安全に食べさせるための年齢別ガイドや家庭でできる塩抜き・加熱の方法、妊婦さん向けの代替食材まで網羅。

この記事を読めば、子どもや妊婦さんも安心して数の子を楽しめる知識が身につき、お正月の食卓を安全に彩ることができます。

数の子とは？基本をわかりやすく解説
数の子は何歳から食べられる？
数の子のアレルギーリスクは？
妊婦さんと数の子の関係
子どもに数の子を与える前に知っておきたいこと
まとめ｜数の子は焦らず、成長に合わせて楽しもう

数の子とは？基本をわかりやすく解説

おせち料理の中でも「高級感のある一品」として人気の数の子。

でも、実際にどんな食材なのか、どうやって作られているのかまで知っている人は少ないかもしれません。

ここでは、数の子の正体・歴史・意味をじっくり解説していきます。

数の子の正体と由来

数の子は、ニシンという魚の卵（魚卵）を塩漬けまたは乾燥させたものです。

つまり「魚の卵巣をそのまま使った食材」なんですね。

ニシンの卵は粒が非常に細かく、ひとつの卵巣に数十万もの卵が含まれています。

そのため、古来より「子孫繁栄」や「家の繁盛」を象徴する縁起物として大切にされてきました。

また、名前の由来もユニークです。

昔の日本ではニシンのことを「カド」と呼んでおり、「カドの子」がなまって「数の子」になったとされています。

これは江戸時代の文献にも登場しており、北海道や東北地方で親しまれていた地域文化でもあります。

項目	内容
原料魚	ニシン（ニシン科の回遊魚）
加工方法	塩漬け・乾燥・だし漬けなど
語源	「カド（ニシン）の子」→「カドノコ」→「カズノコ」
特徴	黄金色の粒がびっしりと並んだ見た目・コリコリした食感

ちなみに、数の子は日本だけでなく海外でも人気があります。

カナダやアラスカでは「Herring Roe」と呼ばれ、寿司ネタや前菜として提供されています。

日本でいう「塩数の子」は、海外で輸出用に作られたものが多く、北海道やカナダが主な産地です。

おせちの数の子は、じつは“世界をまたぐ海の幸”でもあるんです。

おせち料理に入っている意味

おせち料理に数の子が欠かせない理由は、「子孫繁栄」の願いが込められているためです。

卵の数が非常に多いことから、「子だくさんで家が繁栄しますように」という意味があります。

また、ニシン（＝二親）という語呂合わせで、「二人の親から多くの子どもが生まれる」という家族円満の象徴とされてきました。

少しこじつけのようにも感じますが、昔の人々の“言葉遊びの文化”が感じられる部分でもあります。

さらに、黄金色の見た目は「富」「繁栄」「幸運」を表す色とされ、おせちの中でも特におめでたい存在です。

象徴する意味	理由
子孫繁栄	卵が多数ついているため
家族円満	「ニシン＝二親」という語呂合わせ
金運上昇	黄金色が縁起の良い色とされるため

数の子が縁起物として愛される理由

数の子は、江戸時代にはすでにお正月の定番食材として親しまれていました。

当時の庶民にとって、魚卵はとても貴重なタンパク源であり、保存もきくことから重宝されていたのです。

「年の初めに豊かさを祈って食べる」文化は、まさに数の子の象徴といえます。

現代でも、家族の健康や成長を願う気持ちは変わりません。

その意味で、数の子は“味わうお守り”のような存在と言えるでしょう。

数の子の種類と選び方

スーパーに並ぶ数の子には、「塩数の子」「味付け数の子」「乾燥数の子」などいくつかのタイプがあります。

それぞれの違いを知っておくと、年末の買い物がぐっとスムーズになります。

種類	特徴	用途
塩数の子	塩漬けで保存される生タイプ。塩抜きが必要。	おせち用に最も一般的
味付け数の子	だしや調味液で味付け済み。すぐ食べられる。	手軽におつまみや副菜として
乾燥数の子	日持ちが長く、戻してから使うタイプ。	保存食や地方特産品

子どもに与える場合は、味付けされていない「塩数の子」を選び、塩抜きをしてから薄味で調理すると安心です。

また、鮮度が良い数の子ほど、透明感のある黄色で、表面に白い筋が少ないものが上質とされています。

数の子は単なるおせちの一品ではなく、日本人の“家族の絆”や“繁栄の願い”を象徴する伝統食です。

その背景を知ることで、食卓での一口にもより深い意味が感じられるでしょう。

「数の子を味わう＝家族の幸せを願う時間」として、ぜひ今年のおせちにも取り入れてみてください。

数の子は何歳から食べられる？

おせちの定番・数の子ですが、「赤ちゃんや小さい子に食べさせても大丈夫なの？」と迷う方は多いですよね。

塩分が強く、生に近い状態で食べることが多いため、年齢によって注意が必要です。

ここでは、数の子を食べられる目安の年齢と、安全に楽しむためのポイントを詳しく解説します。

赤ちゃん（離乳食期）はNG！理由を解説

まず結論から言うと、離乳食期（生後5〜12か月）の赤ちゃんには、数の子は与えないでください。

理由は3つあります。

①塩分が非常に多い：塩漬けのため、赤ちゃんの腎臓では処理できないほど塩分濃度が高いです。
②硬くて飲み込みづらい：プチプチした食感が喉に詰まりやすく、誤飲や窒息のリスクがあります。
③魚卵アレルギーのリスク：初期の魚卵摂取はアレルギーを起こす可能性があります。

乳児はまだ消化器も未熟なため、たんぱく質分解能力が発達していません。

したがって、どんなに細かくしても離乳期のうちは避けるのが安全です。

対象	時期	可否	理由
生後5〜8か月	初期〜中期	×	塩分・硬さ・消化の問題
9〜12か月	後期〜完了期	×	まだ早い。他の魚で十分

※離乳食には「白身魚」など消化の良い魚が適しています。

幼児期（1〜3歳）は“まだ控える”のがベター

1〜3歳の幼児期も、基本的には控える方が無難です。

この時期の子どもは、まだ味覚形成の途中であり、塩分や強い味つけに慣れさせたくない時期です。

また、食品安全委員会は「3歳未満の子どもには、生魚や加熱が不十分な魚を避けるように」と明記しています。

数の子は完全に加熱されていないことが多く、まさにこの条件に当てはまります。

年齢	可否	理由
1歳	×	塩分・アレルギーのリスクが高い
2歳	△	ほんの少量ならOK。ただし無理に与えない
3歳	○（少量）	加熱済み・塩抜き済みなら試してOK

もしどうしてもお正月に「家族で同じものを食べさせたい」と思う場合は、次の手順で安全性を高めましょう。

数の子を水に浸して塩抜きを3〜4回繰り返す
できれば軽く加熱（湯通し）して菌を減らす
1粒〜2粒だけを目安に与える

そして食べさせるのは病院が開いている平日の午前中が理想です。

アレルギーなどの症状が出た際も、すぐに受診できるようにしておくと安心です。

3歳以降ならOK。ただし「味付け」と「食感」に注意

3歳を過ぎると噛む力や飲み込む力が発達し、ある程度の塩分にも対応できるようになります。

この頃から少量ずつ試すのが目安です。

ただし、おせちの「味付け数の子」はだしや醤油で濃く味付けされているため、子どもには向きません。

与える場合は、塩抜きしたあとに軽くだしをかける程度にしておきましょう。

また、プチプチとした弾力があるため、よく噛む練習にもなりますが、丸飲みの危険があるので必ずそばで見守ってください。

年齢	おすすめの調理法	量の目安
3〜4歳	塩抜き＋小さく刻む	1〜2粒
5〜6歳	軽いだし漬けなど薄味	ひとくち程度
小学生以降	大人と同じでもOK	食べすぎに注意

“食べる練習”よりも“食文化を伝える機会”として楽しむのが理想です。

数の子の塩分量と注意点

数の子の塩分量は、100gあたりおよそ5〜7gとかなり高めです。

1〜2粒でも大人の1食分の塩分に匹敵することがあります。

そのため、子どもに与えるときは以下を意識してください。

塩抜きは長め（最低でも3時間以上）
味付け液には漬けず、だしで軽く風味をつける
食後の水分をしっかり取る

塩分比較	100gあたりの塩分量
数の子（塩漬け）	約6.0g
タラコ	約3.8g
ししゃも	約0.5g

数字で見ると、いかに塩分が強いかがわかります。

幼児期に塩分を摂りすぎると、将来の味覚形成や高血圧リスクにも影響します。

お正月でも「見るだけ・触れるだけ」でも十分学びになると考えましょう。

与えるときの理想的なタイミングと心構え

おせちの時期は病院が休みがちなので、もし食べさせるなら「年始前」か「平日」に試すのがおすすめです。

また、同じ日に新しい食材を複数与えないようにし、体調の変化を観察します。

“おせちを家族みんなで食べる日”を、安心して迎えるための準備期間として考えるとよいでしょう。

チェックリスト	ポイント
初めて与える時間帯	午前中（病院対応がしやすい）
量	1〜2粒から始める
観察時間	食後2〜3時間は体調を確認
塩抜き	3〜4回水替えを行う

子どもの食体験は、“早く食べさせること”よりも“安心して食べさせること”が大切です。

焦らず、子どもの成長を見守りながら、少しずつ日本の食文化に親しませていきましょう。

数の子のアレルギーリスクは？

数の子を初めて子どもに食べさせるとき、いちばん気をつけたいのがアレルギー反応です。

魚卵はアレルギーを起こしやすい食材のひとつであり、症状や対策を正しく知っておくことが大切です。

魚卵アレルギーとは？数の子が引き起こす仕組み

魚卵アレルギーは、魚の卵に含まれるパルブアルブミンやトロポミオシンなどのたんぱく質が原因で起こります。

これらの成分は熱に強く、加熱しても完全には分解されないため、加熱済みの数の子でも反応することがあります。

つまり、「加熱しているから安全」とは限らないという点に注意が必要です。

魚卵アレルギーの発症年齢は1歳〜3歳前後が多く、初めて食べたときに発症するケースがほとんどです。

特に、家族に魚・魚卵アレルギーの既往がある場合は要注意です。

主な原因物質	含まれる食材	特徴
パルブアルブミン	白身魚・魚卵	熱や消化酵素に強い性質
トロポミオシン	甲殻類・魚卵	交差アレルギーを起こすこともある

どんな症状が出る？早期発見のポイント

魚卵アレルギーの初期症状は、食後30分以内に出ることが多いです。

軽いものでは口の周りの赤みやかゆみですが、重症化するケースもあります。

症状の種類	具体的な状態	対応
皮膚症状	口・唇の腫れ、蕁麻疹、顔の赤み	摂取を中止し様子を観察
消化器症状	嘔吐、下痢、腹痛	水分補給・必要時受診
呼吸器症状	咳、ゼーゼー、息苦しさ	速やかに病院へ
全身症状	ぐったり、意識が遠い	救急要請が必要（アナフィラキシーの可能性）

特に気をつけたいのがアナフィラキシーショックです。

全身の血管が急激に広がることで血圧が下がり、呼吸困難を引き起こすことがあります。

もし食後に「ぐったりしている」「呼吸が荒い」と感じたら、迷わず119番通報を。

救急搬送時には「魚卵を食べた」ことを必ず伝えてください。

卵アレルギーとの違いを理解しよう

数の子アレルギーは、鶏卵（たまご）アレルギーとは全く別のものです。

鶏卵に反応しなくても、魚卵でアレルギーを起こすことはあります。

逆に、卵アレルギーのある子どもでも魚卵は平気な場合もあります。

アレルゲン（原因たんぱく質）が異なるため、ひとくくりにしないよう注意が必要です。

比較項目	鶏卵アレルギー	魚卵アレルギー
原因たんぱく質	オボアルブミン・オボムコイド	パルブアルブミン・トロポミオシン
加熱の影響	加熱で反応が減る場合あり	加熱しても反応することがある
発症年齢	0〜2歳	1〜3歳
交差反応	ほぼなし	イクラ・タラコ・数の子で起こりうる

「卵が大丈夫だから魚卵も大丈夫」とは限りません。

初めて食べる魚卵は、別の日・別のタイミングで1種類ずつ試すのが安全です。

初めて与えるときの安全ステップ

初めて魚卵（数の子）を与えるときは、次の手順で進めましょう。

① 初回は耳かき1杯分からスタート
② 平日の午前中に与える（病院対応が可能）
③ 他の新しい食材と一緒に出さない
④ 食後2〜3時間は様子を観察
⑤ 体調不良時や予防接種後は避ける

このように段階を踏むことで、アレルギー反応の有無を早期に確認できます。

もし不安がある場合は、かかりつけ医やアレルギー専門医に「食物経口負荷試験（しょくもつけいこうふかしけん）」を相談するのも良い方法です。

安全のためのチェック項目	確認ポイント
初回量	耳かき1杯分からスタート
タイミング	午前中・体調良好な日
観察時間	最低2時間は経過を確認
新食材との併用	しない（反応原因を特定しやすくする）

アレルギーを予防するためにできること

最近の研究では、「特定の食材を過剰に避けること」が逆にアレルギーの発症リスクを高める可能性があるとも言われています。

ただし魚卵のように塩分・生食リスクが高い食材は、無理に早期導入する必要はありません。

まずはししゃもや焼きタラコなど、加熱済みで塩分の少ない魚卵から慣らすのが安心です。

「焦らず・少しずつ・安全第一」が、魚卵デビューの合言葉です。

魚卵の種類	アレルギーリスク	おすすめ度（初期）
数の子	やや高い	△（3歳以降）
イクラ	高い	△（慎重に）
タラコ（加熱）	中程度	○
ししゃもの卵	低い	◎

安全な範囲で魚卵を体験させることは、将来的に「食べる力」を育てることにもつながります。

数の子を食べる日は、家族全員で体調を整え、「今日はお正月の食文化に触れる日」として楽しく迎えましょう。

アレルギーの心配があるからこそ、“知識と準備”で安心をつくることが大切です。

妊婦さんと数の子の関係

おせち料理の中でも人気の高い数の子ですが、妊娠中に食べても大丈夫なのか気になりますよね。

「生ものは避けたほうがいい」と言われることが多い中で、魚卵である数の子にもいくつか注意すべき点があります。

ここでは、妊婦さんが数の子を食べる際のリスクと、安全に楽しむためのポイントを詳しく解説します。

妊娠中に控えたほうがよい理由

厚生労働省や食品安全委員会の公式見解では、妊娠中は「魚卵・生魚などをできるだけ避けるように」と明記されています。

その主な理由はリステリア菌感染のリスクです。

リステリア菌は自然界に広く存在する細菌で、低温でも増殖できるのが特徴です。

冷蔵保存していたとしても完全に安全とは言い切れず、妊婦さんが感染すると重症化しやすい傾向があります。

数の子は「加熱されていない魚卵」であることが多く、リステリア菌のリスクを完全に排除できない点に注意が必要です。

リスク項目	内容
リステリア菌	低温でも増殖可能な細菌。加熱で死滅。
感染経路	未加熱の魚卵・ナチュラルチーズ・生ハムなど
感染時の影響	発熱・頭痛・流産・早産・胎児感染の可能性
予防方法	十分な加熱と衛生的な取り扱い

リステリア菌とは？妊婦さんが注意すべき理由

リステリア菌（Listeria monocytogenes）は、健康な成人には軽症で済むことが多いですが、妊婦さんにとっては特別な注意が必要です。

妊娠中は免疫力が一時的に下がるため、通常なら問題にならない菌でも感染しやすくなっています。

感染すると流産・早産・新生児の感染症につながることがあり、国内外でも報告されています。

実際、妊婦さんが感染すると胎盤を通じて胎児に移行することがあるため、医療機関でも注意喚起されています。

感染経路	主な食品例	妊娠中の対応
生食材	数の子、イクラ、ナチュラルチーズ	避ける・加熱する
冷蔵保存中	長期保存した刺身や惣菜	早めに食べる
調理器具	まな板・包丁など	使用後すぐ洗浄・消毒

特におせちの数の子は塩漬けやだし漬けなど加熱処理されていないものが多く、妊婦さんにはおすすめできません。

一方で、しっかり火を通した「焼き数の子」などは比較的安全ですが、それでも摂取は控えめにするのが無難です。

加熱すれば安全？妊婦さんのための調理ポイント

リステリア菌は75℃以上で1分以上の加熱で死滅します。

つまり、加熱調理を行えば感染リスクをほぼゼロに近づけることが可能です。

ただし、数の子は加熱すると独特の食感が損なわれやすいため、完全加熱で食べるケースは少ないのが実情です。

「どうしても食べたい」という場合は、次のような工夫をしてみましょう。

塩抜きした数の子をアルミホイルに包み、フライパンで軽く焼く
だしで軽く煮て温かい副菜にアレンジする
お正月の代替として、焼き魚や煮魚を選ぶ

“安全性を最優先に、形を変えて楽しむ”というのが妊娠期のおせちのコツです。

調理方法	安全性	コメント
生のまま（塩漬け）	×	リステリア菌・塩分過多のリスク
だし漬け	△	非加熱のため注意
焼き数の子	○	加熱済みで比較的安全
煮数の子	◎	加熱済み＋塩分カット可能

妊婦さんが注意したい「塩分」と「プリン体」

妊娠中に気をつけるべきはリステリア菌だけではありません。

数の子は塩漬け食品のため、100gあたり約6gの塩分を含むことがあります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準（2025年版）」では、妊婦の1日の塩分摂取目標量は6.5g未満とされています。

つまり、数の子を100g食べただけで1日分を超えてしまう計算です。

また、数の子にはプリン体も含まれており、過剰摂取は尿酸値上昇につながる可能性があります。

むくみや血圧上昇が気になる方は、塩分カットを意識して他の食材で調整しましょう。

栄養成分（100gあたり）	含有量	妊娠期の注意
塩分	約6.0g	摂りすぎ注意
プリン体	約120mg	尿酸値上昇に注意
たんぱく質	約25g	良質なたんぱく源

妊娠中でもおせちを楽しむために

妊婦さんが安全におせちを楽しむには、「生ものを避けつつ見た目や雰囲気を大切にする」ことがポイントです。

例えば、数の子の代わりに以下のような食材を取り入れても、彩りや意味合いをしっかり引き継げます。

ゆで卵の黄身（黄金色で縁起が良い）
かぼちゃの煮物（繁栄や豊かさを象徴）
たらの白身（清らかさ・新年の始まり）

おせちは“気持ちを祝う料理”。安全を優先しても、お祝いの心はしっかり伝わります。

食材	代替の意味	おすすめ理由
数の子	子孫繁栄	黄金色の卵や野菜で代用可能
かぼちゃ	豊かさ・健康	ビタミンAが豊富で妊婦向け
たらの白身	新しい命・清らかさ	低脂質・高たんぱくで安心

妊娠期のおせちは、食べる量よりも「誰と食べるか」が大切です。

数の子を無理に食べる必要はなく、同じ気持ちでお祝いできれば十分意味があります。

母体と赤ちゃんの健康を第一に、“食べる喜び”を安全な形で楽しむことが、最高のおせち時間になります。

子どもに数の子を与える前に知っておきたいこと

数の子はお正月の定番ですが、赤ちゃんや幼児に与える際にはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。

ここでは、年齢ごとの与え方や安全な調理法、他の魚卵との違いまで徹底解説します。

他の魚卵（イクラ・タラコ・ししゃも卵）との違い

魚卵といっても種類によって塩分・調理方法・食感が大きく異なります。

たとえばイクラは生のまま味付けされており塩分・脂質が高く、幼児には向きません。

タラコやししゃもの卵は加熱済みで、塩分も控えめなものが多く、初めて魚卵を試す子どもにはおすすめです。

魚卵の種類	加熱状態	塩分量	幼児に向くか
数の子	生に近い塩漬け	高い	△（3歳以降・少量）
イクラ	生	高い	△（慎重に）
タラコ（加熱可）	加熱済み可	中程度	○
ししゃもの卵	加熱済み	低い	◎

数の子を初めて与える場合は、まずはししゃもや加熱タラコで魚卵に慣れさせるのが安全です。

安全に食べさせるためのステップ

初めて数の子を子どもに与える場合、以下の手順で進めるとリスクを最小限にできます。

塩抜き：水に3〜4時間浸して塩分を抜き、塩分濃度を下げます。
加熱（任意）：軽く湯通しすることで細菌リスクを減らせます。
少量ずつ与える：耳かき1杯程度からスタート。
平日の午前中に試す：万一の体調変化に対応しやすくなります。
新食材との併用を避ける：反応の原因を特定しやすくします。
観察時間：食後2〜3時間は体調をよく観察。

この手順を守るだけで、アレルギーや誤飲リスクを大幅に減らせます。

年齢別の与え方の目安

年齢ごとに安全な与え方をまとめました。

年齢	与える量・方法	ポイント
0〜2歳	与えない	塩分・硬さ・消化の問題
3〜4歳	塩抜き後、細かく刻んで1〜2粒	体調の良い午前中に
5〜6歳	軽くだし漬けにして少量	よく噛ませて食感を楽しむ
小学生以降	大人と同じ量でもOK	食べすぎは塩分注意

調理のコツと家庭での安全対策

数の子を家庭で与える際は、次の工夫をするとさらに安心です。

塩抜き後は軽く湯通しして表面を柔らかくする
細かく刻むことで誤飲リスクを減らす
味付けは控えめにし、だしや薄味で風味付け
食器やまな板は他の食品と分けて使用し、衛生管理を徹底

「食文化」として楽しむ視点も大切

数の子は必ずしも栄養価が特別高いわけではありません。

小さな子どもには、塩抜きや加熱で少量だけ体験させることで、「お正月の食文化」を学ぶ機会にできます。

安全に食べることと、食文化を体験することを両立させるのが理想です。

ポイント	理由
塩抜き	塩分摂取を抑える
加熱	細菌リスクの軽減
少量ずつ	アレルギーや誤飲のリスクを抑える
観察	体調変化にすぐ対応可能

まとめ｜数の子は焦らず、成長に合わせて楽しもう

ここまで、数の子を子どもや妊婦さんが食べる際の注意点や安全な与え方を詳しく見てきました。

ポイントは「焦らず・少量・安全第一」です。

無理に食べさせる必要はなく、成長や体調に合わせて楽しむことが大切です。

年齢別の安全ガイド

年齢	与える可否	注意点
0〜2歳	×	塩分・硬さ・消化・アレルギーリスクが高いため避ける
3〜4歳	△（少量）	塩抜き＋細かく刻む。午前中に試す
5〜6歳	○（少量）	軽くだし漬け。よく噛ませる
小学生以降	○	大人と同じ量でもOK。ただし塩分に注意

妊婦さんへのアドバイス

生のままの数の子は避ける（リステリア菌リスク）
加熱調理したものや代替食材で楽しむ
塩分・プリン体の摂取量に注意
お正月は「食文化を楽しむこと」を優先

子どもに与える前のチェックリスト

初めて数の子を与える際に確認すべき項目をまとめました。

チェック項目	確認ポイント
年齢	3歳以上から少量。0〜2歳は与えない
塩抜き	水に浸して3〜4時間、塩分をしっかり抜く
加熱	可能であれば軽く湯通し。リスク軽減
量	耳かき1杯〜2粒からスタート
観察時間	食後2〜3時間は体調を確認
新食材との併用	同日に他の新しい食材は避ける
タイミング	平日の午前中が安心