LIXILレンジフードASRの掃除完全ガイド｜重曹NGの理由と正しいファンの外し方

「LIXILのレンジフードASR、重曹で掃除しても大丈夫？」──そんな疑問を持つ方は多いですよね。

実はASRシリーズは、内部に特殊なコーティングが施されており、重曹やセスキ炭酸ソーダは塗装を劣化させてしまう危険な洗剤なんです。

この記事では、ASRを長く美しく保つための正しい掃除手順・ファンの安全な外し方・固着トラブルの解消法を、科学的な根拠と実体験をもとに徹底解説します。

さらに、掃除の手間を劇的に減らす「スターフィルター」の効果や、安全に作業を行うための準備・注意点も紹介。

この記事を読めば、ASR掃除の不安がすべて解消され、“壊さず・汚さず・ラクに続けられる”お手入れ方法が身につきます。

LIXILのレンジフードASRの掃除で絶対に守るべき基本ルール【深掘り版】
ASRの整流板とフィルターの正しい洗い方【深掘り版】
シロッコファンの外し方と固着トラブル対策【深掘り版】
掃除を快適にする準備と安全対策
ASR掃除でよくある悩みとその解決法【深掘り版】
スターフィルターで掃除をもっとラクに【深掘り版】
まとめ｜ASR掃除の鉄則と長持ちさせるコツ【深掘り版】

LIXILのレンジフードASRの掃除で絶対に守るべき基本ルール【深掘り版】

LIXILのASRシリーズは、「美観」「静音性」「メンテナンス性」の3拍子がそろった高性能レンジフードです。

しかし、その機能を長期間保つには、他の換気扇とは異なる「正しい掃除ルール」を守る必要があります。

ここでは、ASR特有の構造と素材の特性を踏まえながら、なぜ重曹がNGなのか、なぜ中性洗剤がベストなのかを科学的に解説します。

ASRシリーズの構造と素材が掃除のカギを握る

ASRシリーズの内部には、油汚れを付きにくくするための親水性塗装やフッ素コーティングが施されています。

このコーティングがあるおかげで、普段の料理で発生する油煙をしっかりキャッチしつつ、汚れが水や中性洗剤で簡単に落とせるよう設計されています。

つまり、ASRの美しさと清掃性は「繊細な表面の科学的バランス」の上に成り立っているのです。

部位	採用されているコーティング	特徴	注意点
整流板	親水性塗装	水となじんで油を浮かせる	研磨剤入りスポンジは塗膜を削る
フィルター	親水性 or フッ素塗装	油分を弾きやすく掃除が容易	アルカリ洗剤で被膜が剥がれる
シロッコファン	フッ素塗装	油汚れの固着を防止	高pH洗剤が化学反応を起こす

LIXILが取扱説明書で「中性洗剤以外の使用を禁止」しているのは、この塗膜を守るためです。

塗装が一度でも剥がれると、金属が酸化して錆びやすくなり、換気性能やモーター寿命にも悪影響を与えます。

重曹やセスキがNGな化学的理由

重曹（炭酸水素ナトリウム）やセスキ炭酸ソーダはアルカリ性の成分を持っています。

アルカリ性は油汚れを中和して分解する力がありますが、同時に塗膜中の樹脂結合を破壊する化学反応を起こします。

特にASRに採用されているフッ素系コーティングは、pH10以上の環境に長時間さらされると、表面が白濁したり、滑りが失われることが報告されています。

洗剤の種類	pH値	ASRへの影響
中性洗剤	約7.0	安全・塗装を守る
重曹水	約8.5	長時間で塗膜が劣化
セスキ水	約9.8	フッ素層が剥離・変色のリスク
アルカリ電解水	11.0〜13.0	強い腐食作用で塗装破壊

アルカリ洗剤で白く曇ったり、塗装がザラつくようになったら、それはコーティングが化学的に損傷したサインです。

この状態になると、もう元に戻すことはできません。

ASRを守るためには、「強力な洗剤よりも優しい洗剤」こそが正解です。

中性洗剤×ぬるま湯で汚れを落とすメカニズム

中性洗剤は、界面活性剤（油と水を混ぜ合わせる成分）によって、油汚れを乳化（溶かして浮かせる）させます。

ここに40〜50℃のぬるま湯を加えることで、油分が熱で柔らかくなり、界面活性剤の働きが最大化します。

温度	油汚れの状態	洗浄効果
常温（20℃）	油が固まって落ちにくい	△ やや不十分
40〜50℃	油が緩んで浮き上がる	◎ 最も効率的
60℃以上	洗剤成分が揮発しやすくなる	△ 効果が安定しない

実際に試すとわかりますが、ぬるま湯を使うだけで洗浄時間が半分になることもあります。

この原理は「お湯×中性洗剤」の相乗効果と呼ばれ、LIXIL公式でも推奨されている方法です。

ASR掃除のゴールは“塗膜を守りながら汚れを落とす”こと

ASRの掃除は、見た目をきれいにするだけではなく素材の寿命を延ばすメンテナンスです。

誤った洗剤や強い力で擦ることは、短期的にはきれいに見えても、長期的には性能を損ないます。

掃除のたびに以下のチェックリストを確認すると安心です。

チェック項目	確認内容
洗剤の種類	必ず中性洗剤を使用しているか
水温	40〜50℃のぬるま湯を使用しているか
スポンジ	研磨粒子なしの柔らかいものを使用しているか
力加減	塗装を傷つけないよう優しく洗っているか
乾燥	水分を残さず乾拭きで仕上げているか

ASR掃除の目的は「輝きを取り戻すこと」ではなく「守りながら保つこと」。

この視点でお手入れをすれば、何年経っても新品同様のツヤと静音性を維持できます。

ASRの整流板とフィルターの正しい洗い方【深掘り版】

ASRシリーズの掃除は、整流板（せいりゅうばん）とフィルターの扱い方で決まります。

この2つのパーツにはLIXIL独自の親水性・フッ素系コーティングが施されており、油汚れを「浮かせて落とす」構造になっています。

しかし、このコーティングは強アルカリ性の洗剤や研磨スポンジに弱いため、誤った掃除をするとツヤや撥水性能が失われてしまいます。

ここでは、塗膜を守りながら効率よく汚れを落とすための手順を、化学的な根拠とともに紹介します。

整流板の安全な外し方と拭き掃除のコツ

整流板はレンジフードの「顔」とも言える部分で、油煙が最初に当たる場所です。

まずはここから掃除を始めることで、後のフィルター洗浄が格段に楽になります。

ステップ	作業内容	ポイント
①	コンロ上を新聞紙やビニールで養生	落下や油垂れを防ぐ
②	整流板の左右ラッチを解除	両手で支えながら外す（片手作業厳禁）
③	シンクなど平らな場所に置く	落下・変形を防ぐ

整流板の裏側には油が溜まりやすい溝があります。

この部分をしっかり落とすには、「ぬるま湯（40〜50℃）」と「台所用中性洗剤」の組み合わせが最適です。

NG洗剤	理由
重曹・セスキ	アルカリで塗膜を化学的に分解してしまう
クレンザー	研磨剤で表面を削ってしまう
アルコール系	フッ素樹脂を白濁させる恐れ

スポンジは「マイクロファイバー」や「柔らかいスポンジ」を使用し、汚れを擦るのではなく“浮かせて拭き取る”イメージで作業します。

最後に水拭き→乾拭きの順で仕上げることで、塗膜に水滴跡が残らず新品のような光沢が復活します。

※メラミンスポンジは絶対に使用しないでください。

金属フィルターのつけ置き洗いと乾燥のコツ

整流板を外すと見えるのが金属フィルター（スロットフィルター）です。

ここは空気中の油分を物理的にキャッチするため、最も頑固な汚れが溜まる部分です。

表面を擦るだけでは落ちにくいので、プロが行うぬるま湯つけ置き法を活用しましょう。

ステップ	手順	ポイント
①	45〜50℃のぬるま湯を大きめの袋に用意	ゴミ袋を二重にしてシンクに広げる
②	中性洗剤を数プッシュ溶かす	泡立てず、軽く混ぜる程度でOK
③	フィルターを沈めて30分放置	油を「熱＋界面活性剤」で分離させる
④	柔らかい歯ブラシで優しく汚れを払う	強く擦らない（塗装が剥げる）
⑤	流水で十分にすすぎ、乾拭きで水気を取る	自然乾燥だけだと水垢が残る

乾燥にはドライヤーの冷風を使うと時短になります。

高温の温風は塗装を変色させる恐れがあるため、冷風または自然乾燥で仕上げましょう。

フィルターの汚れが落ちにくいときの裏技

それでも油汚れが残る場合は、以下の裏技を試してください。

中性洗剤＋ぬるま湯で1回目のつけ置き後、お湯を入れ替えてもう一度15分追加放置
歯ブラシの代わりにペットボトルブラシを使用（柔らかく面で汚れを払える）
つけ置き前にドライヤーで軽く温めると、油の膜がゆるんで落ちやすくなる

ただし、どの方法も強い力を加えずに行うことが鉄則です。

フィルター掃除は“化学の力で落とす”のがプロのコツです。

再装着時のチェックポイント

掃除後のフィルターや整流板を戻す際は、以下の3点を確認してください。

チェック項目	理由
しっかり乾いているか	湿気が残るとカビや異臭の原因になる
上下の向きを間違えていないか	スロットフィルターは上下非対称
ラッチが確実にロックされているか	落下防止・騒音防止

整流板を戻す際は、必ず左右のラッチを同時に押し込み、軽く手前に引いてロックを確認します。

最後に、表面を乾いたマイクロクロスで軽く拭くと、指紋やくもりが消えてより美しく仕上がります。

まとめ：整流板とフィルターを守る3つの心得

① 強い洗剤より、ぬるま湯と中性洗剤が最強
② 擦らず、浮かせて落とす
③ 乾燥と再装着を丁寧に

この3つを守れば、整流板とフィルターは10年経ってもツヤを失わず、美しい状態を保てます。

“落とす掃除”から“守る掃除”へ。

それが、ASRシリーズを長く使うための基本姿勢です。

シロッコファンの外し方と固着トラブル対策【深掘り版】

ASRシリーズの掃除で最も「難しい」と感じるのが、このシロッコファンの取り外しではないでしょうか。

LIXILのASRは、デザイン性だけでなく静音・省エネ性能を追求した構造になっており、その中心にあるのがシロッコファンです。

しかし、構造が繊細であるため、誤った方法で外そうとすると部品を破損してしまう危険があります。

ここでは、ASRファンのタイプ別の外し方と、固着トラブルの根本原因・対処法を科学的に解説します。

ASRシリーズのシロッコファンの仕組みと役割

シロッコファンは、筒状の金属羽根を備えた「遠心送風ファン」です。

羽根の一枚一枚が空気を外側へ押し出すことで、油煙を効率的に排出する構造になっています。

ASRシリーズでは、静音性を高めるために精密バランス設計が採用されており、数グラムのズレでも振動や異音が発生するほど繊細です。

特徴	ASRシリーズの仕様	注意点
材質	軽量アルミ＋フッ素コート	変形しやすい・擦り洗い禁止
回転バランス	0.1mm単位で調整	羽根を曲げると異音の原因
軸構造	防振ラバー＋グリス軸受け	固着の原因はこの部分の油劣化

この構造を理解すると、ASRのファンが「慎重に外さなければならない理由」がよくわかります。

ファンは“力で回すもの”ではなく、“仕組みで外すもの”です。

ASRの3タイプ別・安全な取り外し手順

ASRシリーズのシロッコファンはモデルによって固定方式が異なります。

ご自宅のタイプを確認し、正しい手順で作業しましょう。

タイプ	特徴	外し方	注意点
ワンタッチ着脱式	中央に「押し込みボタン」がある新型モデル	ボタンを深く押し込みながら真下に引き抜く	力任せに引くとロック爪が折れる危険あり
ツマミタイプ（上向き）	中心に大きなツマミネジが見えるタイプ	ファンを押さえながらツマミを反時計回りに回す	ファンが空回りする場合は軽く押さえて回す
ツマミタイプ（横向き）	横方向に軸が通っているタイプ（旧型に多い）	ベルマウスを外し、固定ネジをゆるめて引き抜く	金属パーツのエッジが鋭いため手袋を必ず着用

どのタイプでも共通するのは、「中央の固定軸」に最も注意を払うことです。

特にファンの中心部（モーター軸との接続部）は、非常にデリケートなパーツであり、曲げたり衝撃を与えると回転バランスが崩れてしまいます。

ファンが固くて外れない原因は「油の酸化と温度変化」

長期間掃除していない場合、ファンの軸部分に油がこびりつき、まるで接着剤のように固まってしまうことがあります。

この現象の正体は、油の酸化ポリマー化です。

高温で繰り返し使われた油は酸素と結合し、粘着性の高い樹脂状物質に変化します。

これが冷えて固まると、軸とファンの間で化学的に「固着」が起きるのです。

原因	化学的説明	対策
酸化油	高温酸化でポリマー化し樹脂状に	定期的な中性洗剤洗浄で防止
温度変化	金属の膨張収縮で摩擦部が締まる	温風で軽く温めて緩める
湿気	冷却時に結露が発生し固着を促進	掃除後は完全乾燥させる

これらが重なると、ファンが指で押しても動かないほど強固に固着します。

この状態で力を加えるのは絶対にNGです。 破損や軸の曲がりにつながります。

固着したファンを外す「温度を使う」プロのテクニック

固着を解くには、力ではなく“温度の差”を利用します。

油が熱で柔らかくなる性質を利用して、金属部分を軽く温めると、わずかに膨張して油の粘着が緩みます。

手法	手順	注意点
ドライヤー法	中心軸部分に温風を3〜5分当ててから外す	火傷防止のため厚手の手袋を使用する
蒸しタオル法	50〜60℃のお湯でタオルを絞り、中心部に5分当てる	加熱後は金属が熱いので直接触れない
温風＋回転アシスト法	温めた後に軽く左右に回してロックを外す	左右に揺らす程度でOK、力を入れない

温めによって固着部分がゆるむと、ファンはスッと外れるようになります。

また、掃除後に軸部へ微量のシリコンスプレーを吹き付けておくと、次回の固着防止にも効果的です。

（ただし吹きすぎるとモーター内部に入る恐れがあるため、ティッシュに少量含ませて塗布する程度に留めます。）

ファンを再装着するときの注意点

洗浄後のファンを戻す際にも、いくつかの注意が必要です。

濡れたまま装着すると、軸部で再び錆や固着が起こりやすくなります。

チェック項目	内容
乾燥	自然乾燥またはドライヤーで完全に水気を飛ばす
装着方向	外す前に写真を撮っておくと間違えない
動作確認	電源を入れる前に手で軽く回して異音をチェック

静かに滑らかに回転すればOKです。

もし「ブォー」「カタカタ」といった異音がする場合は、羽根が歪んでいる可能性があります。

その際は無理に動かさず、LIXILサポートへの相談をおすすめします。

シロッコファン掃除の鉄則は、「力ではなく、温度と理論で外す」こと。

この考え方を守れば、ASRシリーズを安全にメンテナンスでき、長く快適に使い続けることができます。

掃除を快適にする準備と安全対策

ASRシリーズの掃除を成功させる最大のポイントは、「準備で8割決まる」ということです。

特にレンジフードの内部作業は高所・油汚れ・金属パーツという三重リスクがあるため、正しい準備と安全対策が欠かせません。

ここでは、プロの清掃業者も実践する“安全で効率的な事前準備”と、“事故を防ぐための正しい環境づくり”を詳しく解説します。

掃除を始める前に整えるべき「作業環境」

まず大切なのは、掃除を行う場所と姿勢の確保です。

ASRの整流板やファンは金属製で重量があり、油で滑りやすくなっています。

誤って落とすと、天板やガラスコンロを破損してしまうこともあります。

チェック項目	準備内容	目的
作業スペース	コンロ周りを片付け、新聞紙やビニールを敷く	油の飛び散り防止・滑り止め
照明	作業中は天井ライト＋小型ライトを併用	暗所での見落とし防止
脚立または踏み台	安定した足場を準備し、腰を反らさない姿勢を保つ	転倒・腰痛予防
保護具	厚手ゴム手袋・マスク・エプロンを着用	手の切創や油汚れから身体を守る

これらを整えてから作業することで、掃除の効率が上がるだけでなく、事故防止にもつながります。

掃除前の「環境整備」は、安全な作業の第一歩です。

プロが教える「効率を上げる道具選び」

ASRの掃除に使う道具は、どれも家庭にあるもので十分ですが、正しい素材を選ぶことが重要です。

以下は、メーカー推奨基準および清掃業者の実践ツールをもとにした最適な組み合わせです。

アイテム	用途	おすすめタイプ	理由
中性洗剤	整流板・フィルター・ファンの洗浄	キュキュットなど食器用洗剤	塗装を傷めず油分を分解
スポンジ	整流板・フィルターの表面洗い	マイクロファイバー or パックスナチュロン	研磨剤がなく柔らかい
ブラシ	スリット部の細部洗浄	歯ブラシ or 小型ナイロンブラシ	柔軟性がありコーティングを守る
厚手手袋	怪我・火傷の防止	ショーワグローブ厚手タイプ	金属の角から手を守り滑りにくい
養生シート	作業台の保護	新聞紙＋ビニール併用	油汚れを防ぎ後片付けも簡単

とくに手袋選びは最重要です。

薄手のビニール手袋では、ファンの羽根や金属部で簡単に切れてしまいます。

厚手タイプ（内側が布張り）の手袋なら、グリップ力が高く、温風作業時の熱からも手を守れます。

電源を切らずに掃除を始めるのは“重大リスク”

掃除前に必ず確認しておきたいのが「電源オフ」です。

ASRシリーズのモーターは非常に静かで、低速回転中でも動作音が聞き取りづらいことがあります。

電源を切らずにファンに触れると、指を切る・巻き込まれるといった重大事故につながります。

安全対策	手順	目的
電源プラグを抜く	本体側面のコンセントを必ず抜く	感電・誤作動の防止
ブレーカーを落とす	キッチンの回路ブレーカーをOFFにする	完全な通電遮断
お手入れロック機能	搭載モデルは操作パネルでロックを有効化	ファン誤回転の防止

もし「どのスイッチがロックか分からない」ときは、取扱説明書を確認しましょう。

LIXILの公式サイトから機種別マニュアルをダウンロードすることもできます。

“掃除前の1分の確認”が、安全を守る最大のコツです。

掃除を快適にする「プロの準備ルーチン」

ここでは、実際の清掃業者が行う作業前のルーチンを紹介します。

この手順を真似するだけで、一般家庭でもプロ並みの作業効率が実現します。

ステップ	作業内容	ポイント
①	照明・脚立・道具を配置する	動線を確保して安全を確保
②	電源オフ・養生完了を確認	作業中の危険をゼロに
③	洗剤とお湯の準備	40〜50℃のぬるま湯を用意しておく
④	部品を外す順番を決める	整流板→フィルター→ファンの順が基本
⑤	洗う・乾かすスペースを分ける	二次汚染（再付着）を防ぐ

準備が整えば、掃除中の動きにムダがなくなり、結果的に仕上がりも格段に向上します。

特にお湯は掃除を始める直前に準備しておくと、温度が下がらず最も効果的に使えます。

まとめ：安全で快適に作業するための心得

ASRシリーズは、構造が精密であるほど掃除のリスクも高くなります。

だからこそ、掃除を「力仕事」ではなく「準備と知識の仕事」と捉えることが大切です。

心得	理由
1. 準備で8割が決まる	環境を整えれば作業効率も安全性も高まる
2. 手袋は最強の保険	切創・火傷を防ぎ、安心して作業できる
3. 電源オフは命を守る	一瞬の油断が重大事故につながる

ASR掃除の基本は「安全・準備・段取り」。

この3つを守るだけで、毎回の掃除がもっと快適で、安心な時間に変わります。

ASR掃除でよくある悩みとその解決法【深掘り版】

「手順通りにやっているのに上手くいかない…」という声が多いのが、LIXILのASRシリーズ掃除。

特に、ファンの固着やお手入れランプの点灯、掃除頻度の判断などは、説明書だけでは分かりにくい部分です。

ここでは、ASRユーザーが直面しやすい3大トラブルを取り上げ、原因・対処法・再発防止を順に解説します。

① お手入れランプが消えない｜仕組みと正しいリセット方法

ASRシリーズの「お手入れランプ」が点灯したまま消えない…という相談は非常に多いです。

しかし、これは故障ではなく「内部の使用時間カウンターが一定時間に達した」ことを知らせる機能です。

つまり、汚れを検知しているわけではなく、時間経過で点灯する仕組みなのです。

項目	内容
点灯の条件	ファン運転時間が一定（例：約200時間）に到達
消灯の条件	リセット操作を行う
汚れ感知	なし（センサー機能ではない）

掃除が終わったら、必ず以下の手順でリセット操作を行いましょう。

手順	操作内容
①	換気扇の運転を停止する
②	操作パネルの「お手入れ」または「リセット」ボタンを探す
③	ボタンを約3秒間押し続ける
④	電子音（ピピッ）とともにランプが消灯すれば完了

この動作で内部のカウンターがリセットされ、再びゼロから使用時間を計測します。

注意： 掃除をしてもリセットしなければ、ランプは自動で消えません。

また、押す時間が短いと反応しないため、「3秒以上」を意識しましょう。

ランプが消えない原因の9割は「リセットし忘れ」です。

② ファンが固くて外れない｜固着の原因と対処法

ASRユーザーが最も苦労するのが、シロッコファンが固着して外れないケースです。

前章で解説したように、これは油汚れの酸化による粘着・金属の熱膨張・経年変形が主な原因です。

原因	現象	対策
油の酸化	軸とファンが接着したように固まる	温風や蒸しタオルで油を柔らかくする
金属の収縮	冷却時に隙間が締まる	温めて膨張させる
無理な力で引っ張る	軸が曲がり、モーターにダメージ	絶対に力任せにしない

ファンがどうしても外れない場合は、以下の方法を順番に試してください。

ドライヤーをファン中心部に3〜5分当てる（温めて緩ませる）
厚手手袋をつけて、軽く左右に回すようにして揺らす
蒸しタオルを当てて5分待つ（油が柔らかくなる）
それでもダメな場合は、無理をせずメーカーサポートに相談

強く引っ張ると、ASR特有の「ワンタッチロック爪」が破損してしまいます。

破損すると部品交換（約5,000〜10,000円）が必要になるため、無理をしないのが賢明です。

ファン固着は“温度で解く”が鉄則です。

③ 掃除の頻度がわからない｜場所別・最適スケジュール

「どのくらいの頻度で掃除すればいいの？」という疑問もよくあります。

ASRシリーズは、使い方や料理の頻度によって汚れ具合が変わるため、部位ごとにスケジュールを分けるのがコツです。

部位	掃除頻度	理由	ポイント
整流板（外側）	週1回	油煙が最初に当たる部分	中性洗剤でサッと拭き取るだけ
フィルター	3〜6ヶ月に1回	内部への油侵入を防ぐ	つけ置き洗いでOK
シロッコファン	半年〜1年に1回	分解が必要なため低頻度で十分	固着前に軽いメンテを
内部パネル	年1回	普段は汚れにくい	大掃除のタイミングで実施

また、油料理が多い家庭や、揚げ物を頻繁にする場合は汚れが早く進みます。

その場合は、整流板の掃除を週2回に増やすだけで、内部のメンテナンス周期を延ばすことができます。

“汚れを取る”よりも“汚れをためない”方が、ASRを長持ちさせる近道です。

トラブルを防ぐための「ASR掃除チェックリスト」

最後に、トラブルを未然に防ぐためのチェックポイントをまとめました。

掃除のたびに確認すれば、事故や故障のリスクを限りなく減らせます。

チェック項目	確認内容
洗剤	中性洗剤のみを使用しているか
電源	プラグを抜く or ブレーカーをOFFにしているか
手袋	厚手の手袋を着用しているか
ファン	温めてから外すなど、無理な力を加えていないか
ランプ	リセット操作を3秒以上行ったか

上記のチェックを習慣化するだけで、掃除のストレスもぐっと減ります。

ASRの掃除は「知っていれば簡単」な仕組みです。

正しい順序と小さな習慣が、ASRを10年後も美しく保つ秘訣です。

スターフィルターで掃除をもっとラクに【深掘り版】

「内部のファンを外して洗うのは大変…」という方にとって、スターフィルターの導入はまさに救世主です。

ASRシリーズのユーザーの中でも、最近はこの高性能フィルターを取り入れて、掃除の手間を劇的に減らしている人が増えています。

ここでは、スターフィルターの仕組み・効果・リスクを正しく理解し、ASRに最適な使い方を詳しく解説します。

スターフィルターとは？

スターフィルターは、レンジフードの金属フィルター（スロットフィルターなど）の上に装着する高密度ガラス繊維製の使い捨てフィルターです。

一般的な不織布フィルターよりも油の捕集力が約3倍高く、熱にも強いのが特徴です。

項目	スターフィルター	一般的な不織布フィルター
素材	ガラス繊維（難燃）	ポリエステルやナイロン
耐熱温度	約250℃	約120℃
油の捕集率	90〜95％	60〜70％
交換頻度	約1〜2ヶ月	2〜4週間
価格	やや高め	安価

この高性能フィルターを使うことで、ファンや内部への油の侵入が大幅に減少します。

つまり、「フィルターを外してつけ置き洗い」という面倒な作業を、ほとんどの家庭で年1回以下にまで減らせるのです。

なぜASRに向いているのか？

ASRシリーズは整流板が密閉構造になっているため、吸い込みの気流が強く、内部に油が溜まりやすい傾向があります。

そのため、吸気の手前で油をキャッチできるスターフィルターは非常に相性が良いのです。

特に次のような特徴が、ASRユーザーに向いています。

吸い込み口が広く、マグネット式フィルターを安定装着できる
整流板と金属フィルターの間に適度な空間がある
ファン掃除を減らしたい人に効果的

ASR×スターフィルター＝内部を汚さずに外で完結する掃除スタイル。

正しい装着方法と交換タイミング

スターフィルターは、正しい位置と密着度で取り付けないと吸気効率が下がります。

また、交換時期を過ぎると、逆に吸い込みが悪くなるため注意が必要です。

手順	内容	ポイント
①	整流板と純正フィルターを外す	作業前に電源を切る
②	純正フィルターの上からスターフィルターを重ねる	マグネットで固定（隙間がないように）
③	整流板を元に戻す	吸気口に重なりがないか確認
④	1〜2ヶ月を目安に交換	色が黄褐色になったら交換時期

交換のタイミングは、料理の頻度によって変わりますが、週5日以上調理する家庭なら月1交換が理想です。

油が多い料理（揚げ物など）が多い場合は、2〜3週間での交換が推奨されます。

導入時に知っておくべき「3つのリスク」

スターフィルターは便利ですが、純正品ではないため注意すべき点もあります。

以下のリスクを理解しておくと、トラブルを防げます。

リスク	内容	対策
① 吸気抵抗の増加	厚みのある素材で空気の通りがやや悪くなる	ファン回転音や吸引力に変化があれば一時的に外す
② モーター負荷の上昇	吸い込みに抵抗が生じることでモーターに余分な電流がかかる	汚れが蓄積する前に交換を徹底
③ 保証の非対象	LIXIL純正品ではないため保証対象外となる	故障時は純正状態に戻してサポート依頼

ただし、これらのリスクは「誤使用」や「交換忘れ」で起こるケースがほとんどです。

適切に使えば、モーター寿命や吸引性能に影響を与えることはほとんどありません。

導入のメリットを最大化する3つのコツ

せっかく導入するなら、性能を最大限に引き出したいですよね。

以下の3つを意識するだけで、フィルターの寿命と効果がグッと上がります。

コツ	内容
1. 定期交換を忘れない	汚れが見えてからでは遅い。1ヶ月に1回の“リマインダー設定”がおすすめ。
2. マグネット位置を均等に	片側だけ浮いていると、吸い込みムラが発生する。
3. 取り外し時に内部を軽く拭く	交換ついでに整流板裏をサッと拭くと、内部清掃が不要になる。

これを続けると、半年後には「ファンを外す必要がほぼなくなる」ほど、油の付着が減少します。

“汚れを入れない掃除”こそが、次世代のASRメンテナンスです。

スターフィルターの活用で得られる「時間」と「清潔さ」

スターフィルターを導入した家庭では、平均して掃除時間が約70％短縮したというデータもあります。

さらに、内部が汚れにくくなるため、異臭や油だまりも減り、快適さが長続きします。

比較項目	導入前	導入後
掃除頻度	3ヶ月に1回ファン掃除	年1回で十分
掃除時間	約90分	約25分
油汚れの付着	整流板・内部に蓄積	フィルターで大半をブロック
見た目の清潔感	半年で曇りや黄ばみ	1年後もツヤを維持

毎回の掃除にかかる労力を考えると、スターフィルターは「時間を買う道具」といっても過言ではありません。

特に共働きや子育て世帯では、掃除時間の削減が家事ストレスを大きく減らします。

“洗う掃除”から“守る掃除”へ。

それが、ASR時代の新しいメンテナンスの考え方です。

まとめ｜ASR掃除の鉄則と長持ちさせるコツ【深掘り版】

ここまで、LIXILのレンジフードASRシリーズを安全かつ効率的に掃除するための方法を、構造・化学・実践の3つの観点から解説してきました。

最後に、この記事全体でお伝えした「ASR掃除の本質」と「長持ちさせる習慣」を整理し、今日から実践できる形でまとめます。

ASR掃除の基本原則｜“落とす”より“守る”

ASRシリーズにおける掃除の目的は、見た目をきれいにすることではなく、素材の寿命を延ばすことにあります。

そのためには、「汚れを落とす」よりも「塗膜を守る」ことが何より重要です。

項目	やってはいけないNG行為	正しいアプローチ
洗剤	重曹・セスキ・アルカリ電解水を使用	台所用中性洗剤をぬるま湯で希釈
スポンジ	メラミン・研磨粒子入り	柔らかいマイクロファイバーまたは天然スポンジ
洗い方	力任せに擦る	油を“浮かせて拭き取る”
乾燥	自然乾燥で放置	水滴が残らないように乾拭き

この基本を守るだけで、ASRの塗装劣化や異音トラブルの9割は防げます。

掃除とは「削る作業」ではなく、「表面をいたわる作業」なのです。

ASR掃除の黄金ルール｜「熱・中性・やさしさ」の3原則

どんな掃除も、この3つを守れば失敗しません。

原則	具体的な行動	ポイント
熱（Heat）	40〜50℃のぬるま湯で汚れを緩める	熱が油を溶かし、洗剤の働きを高める
中性（Neutral）	pH7前後の台所用中性洗剤を使用	コーティングを守りながら洗浄
やさしさ（Gentle）	柔らかい布で優しく拭く	塗膜・素材の摩耗を防ぐ

これがASR掃除の“黄金三角”です。

強さより、優しさが結果を変える。

掃除の頻度を習慣化する「3層スケジュール」

掃除を長く続けるには、無理のないスケジュール設定が欠かせません。

おすすめは、部位ごとに頻度を分ける「3層スケジュール法」です。

レベル	対象部位	頻度	所要時間
ライト	整流板の表面	週1回	5分
ミドル	フィルター・オイルトレー	3〜6ヶ月	20分
ディープ	ファン・内部パネル	年1回	60〜90分

この方法なら、年末の大掃除に追われることもなくなります。

日常的に軽いメンテを繰り返すことで、内部の汚れが蓄積しにくくなります。

スターフィルターとの併用で“掃除不要化”に近づく

前章で紹介したスターフィルターを導入すれば、掃除の頻度をさらに減らせます。

ASRのような高気密構造では、フィルターを通過する空気の質が掃除の負担を左右します。

導入前	導入後
ファン掃除：半年〜1年ごと	ファン掃除：2〜3年に1回でもOK
内部の油汚れが目立つ	整流板で油がほぼブロック
掃除時間が90分以上	30分以下で完了

“汚れを防ぐ＝掃除の未来をつくる”。

スターフィルターは単なる便利グッズではなく、ASRを「守る道具」なのです。

10年後も変わらない美しさを保つために

LIXILのASRシリーズは、もともと高い耐久性と防汚性を備えた優れた製品です。

ただし、それを最大限に活かすには、正しい掃除とケアの積み重ねが必要です。

重曹・アルカリ剤は使わない
洗剤は必ず中性＋ぬるま湯
整流板とフィルターの“先手掃除”を習慣化
ファンは“温度で外す”を意識する
ランプは掃除後にリセット操作
スターフィルターで内部汚れを防ぐ

この6つを守れば、ASRのコーティングや静音性は10年以上維持できます。

ASR掃除の極意は、“やさしさ”と“習慣”にあります。

まとめ表：ASR掃除の鉄則とメンテナンスの全体像

カテゴリ	内容
基本原則	中性洗剤・ぬるま湯・柔らかい素材を使用
やってはいけないこと	重曹・セスキ・強アルカリ剤・研磨剤入りスポンジ
頻度管理	週・季節・年単位で区切る3層スケジュール
時短対策	スターフィルターで油汚れをブロック
再発防止	掃除後の乾拭き＆ランプリセット